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TOKYO N◎VA スタイル別コラム

IV カブト 「一流」の条件

 カブトというスタイルは、職業としていくつかの側面を持っている。傭兵・警備員などもそれに当たるが、トーキョーN◎VAでカブトをペルソナにする者として、ダントツで多いのは「ボディガード」だろう。

ボディガードは、守るべき対象を護衛することが本分だが、はたして「護衛」とはどういう事を言うのだろうか。

「カブト」は誰かを護るためのスタイルだが、「ボディガード」となると、「護れるだけ」という者は二流だ。

ボディガードは、「対象を護れる」のではなく、「対象の安全を確保できる」のが一流の条件だと言える。

現実の中では、対象の護衛となると何人かでチームを組んで行うのが基本であり、N◎VAのアクトであるようにひとりだけに護衛を任されるというのはほとんどない。なぜなら護る側は暗殺者と比べるとスタートラインが非常にシビアで、一人だけでは死角を護りきれないからだ。護衛対象の近くにいるだけでは狙撃ポイントを逐次チェックできないし、狙撃ばかりに気を配っていては暗殺者の接近を許してしまう。

その点カブトは死角が少なく、〈反射防御〉さえ持っていれば遠くからの狙撃にも適切に対処が出来、まさに十人力以上の防護能力があるといえる。

しかし、それだけで対象の安全が確保出来ると思っては間違いだ。現実的に考えても、確率的に考えても護るだけではいつか対象は死ぬ。

それを避けるためには、「護る」以外の手段で敵のいない状態を作らなければならないわけだが、通常のアクトならば、情報収集系のキャストに敵の情報を調べてもらったり、攻撃系肉体戦キャストに敵を殺してもらうということが多いだろう。

しかし考えてみて欲しい。いくらキャストとは言え、チームでもない人間に本来自分のやるべき仕事を任せてしまって、カブトとしてのプライドが許すだろうか?

それにもし、他のキャストの利害が合わず協力を拒まれたとしたら。情報を得ることも出来ず、迫り来る敵を撃退できないため、護衛対象が死ぬのは時間の問題となる。有りえない話ではないだろう。

そんなことがないようにするためには、フリーランスのカブトは自分で「護る」以外のことを出来るようにしておかなければならないだろう。

護衛するために必要なことは、

1.対象を護る

2.敵を撃退する

3.敵の戦力を把握する

4.敵のいないところに対象を誘導する

などがある。1はカブトとして当たり前のことなのでおいておく。

2.敵を撃退する

手っ取り早くいくならこの方法だろう。攻撃は最大の防御、敵さえいなくなれば護る必要もなくなるし、もともと戦闘系スタイルのカブトは、攻撃戦闘系スタイル、特に白兵戦主体のカタナやチャクラなどと相性がよいので経験点消費を抑え目にできる。

ただ、戦闘することだけを重視しすぎると、やすやすと寝室にカゲの侵入を許してしまったり、狙撃されそうなことにまったく気づかなかったりするので注意が必要だ。

3.敵の戦力を把握する

護衛中に情報収集などを行い、対象を狙っている恐れの有る敵をピックアップしておくのもボディガードの役目である。なぜなら警察や探偵といった人種は、事件が起きてからでないと腰を上げないからだ。

フェイトやニューロといった情報系スタイルは、舞台裏での情報収集にも役に立つ他、とっさの出来事に敏感に反応できたり、あらかじめ敵の侵入を防いだり知ったりできるという利点がある。

欠点としては、能力値配分がカブトと逆なため、能力値が低めになってしまうし、戦闘能力が低めになってしまう可能性がある、ということだ。それを補うために経験点消費が多めになってしまうのも挙げられるだろう。

4.敵のいないところに対象を誘導する

対象が行っても安全な場所を把握し、そこを確保するのも役割のひとつだ。敵の追いかけて来れないようなところに瞬時に移動できるカゼは、対象を連れて安全な場所に逃げ込むことができる。

ただ「逃げるだけ」で障害がなくなるわけではないため、障害の排除に関して他人任せになってしまう可能性もあるが、敵が目の前に居るよりはマシだ。

本来ならどれも欠かすことができない条件ではあるのだが、スタイル数の都合上、どれかひとつぐらいしか選択できない。足りないところは他のキャストなりゲストなりに協力を仰ぐ「交渉力」が決め手になってくるだろう。場合によってはその交渉力は、対象を狙う敵との取引や駆け引きにも使える。

カブトはスタイルとしては自身が堅くて他人を護れる、というのが特徴だが、特技だけでそのスタイルをペルソナとする職業の全てを物語っているわけではない。これはカブトではないスタイルでも同様である。

職業カブト(ボディガード)の本分は、他人を護れて自身が堅ければいいわけではなく、対象を危険に陥れる障害の排除や、対象に危険が及ぶ前の事前措置ができることである。

カブトなど人を護る職業において、「身を挺して護る」という言葉が使われる。これは「相手をかばって自分が死ぬ」というのと同義ではない。ことフリーランスにおいては、食いぶちのために死ぬ人間など二流以外の何者でもない。死ぬことはなくても、仕事をするたびに病院送りになっては金も命もいくらあっても足りないというものだ。ボディガードはギャンブラーではないのだから、カブキやカゼのように仕事にスリルを求める必要はない。

一流ならばまず、護っていながら自分が生きられる術を瞬時に導き出す努力を怠らないだろう。そうして生き残っていくことに、信用がついてまわるのだから。

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