TRPGの世界では、さまざまなキャラクターを体験出来る。
自分と違う性別、自分と違う年齢層、自分と違う職業等々。
人間の思考ってのはあいまいなもんで、TRPGの世界にいるのはキャラクターだと認識していても、実際はプレイヤーがその世界に存在しているような錯覚をかもし出すことがある。
何故かってーと、それは多分以下のような理由だろう。
キャラクターシートの「描写」の部分を埋める、つまり絵を描いていないとか、キャラクターの外見に関する説明をうまく出来ないため、キャラクターの外見の情報が不透明になっているのだ。
そうすると、そのキャラクターの外見イメージは、そのキャラクターの要素で唯一はっきりしている「プレイヤーの外見」に直結してしまうのである。
プレイ中の発言が全てプレイヤーから出ている、つまりキャラクターというフィルターを通していない、ということである。
プレイヤー発言とキャラクターのセリフの境界線がないので、キャラクターの性格=プレイヤーの性格と判断されかねない。
「キャラクターはプレイヤーの分身」とはよく言うが、全てが同じだとかえってイタイ、としか言い様がない。
とはいえ、なにも原因は見せる側にだけあるというわけではない。
受け手側にも聞いた発言からイメージをふくらませる創造力が足りないと、一人のプレイヤーが演じたキャラクターは皆同じ風に見えてしまうことだろう。