※1 高精度機体制御デバイス
ある企業(企業名は不明)が10年前より開発を開始した、高度な戦術を行うための制度の高い制御プログラムを組み込んだデバイスオプション。このデバイスプログラムは非常に高度で精密であるため、「電脳聖母事件」以前である開発開始当初は、通常の電脳回路でその処理を行うには複雑すぎて設計が困難であった。
そこで開発陣が目をつけたのは、人間の神経系構造である。人間の脳皮質および神経系をバイパスとして接続することにより、より高度で複雑な戦術プログラムも一瞬で行えるほどの処理能力を持てるという結論に至った。
当初は脳と脳神経系のみを使用したコンパクトなものを予定していたが、身体がないことによって脳にかかるストレスは、処理障害の起こる可能性が出るという結論に至り、人型を止めてデバイスとして「育成」する方法を取らざるをえなくなった。(カレンデバイスじゃなくてファティマみたいなもの)
※2 惨劇
開発が難航を極め、5年の歳月が過ぎ、子供たちの「自我の確立」が問題に挙がった。
「デバイス」の自我の確立は、メインパイロットの操縦の障害になりかねない。彼らが立派な「デバイス」となるためには、5年という歳月は長すぎた。初期化すると育成をやりなおさねばならないし、記憶操作は完全ではない。そういう理由から彼らの「処分」が決定した。
「処分」が決定された子供たちは、何も知らないままテンペランスの汚染区域のまっただ中に生身で放り出され、ウォーカーの30mm機関砲掃射を受け、全員死亡した、とある。
しかし、「アヤメ」だけは脳に直撃を受けることはなく、全身に30mm弾の銃創を空けたままテンペランス地区の教会まで這いずり、生き残った。その事実は企業側には伝わらず、報告資料には記載されていない。
この文書は、現在は「非人道的実験」を行ったことにより、BIOS、千早重工M○●N支社とブラックハウンドM○●N支部の連携により摘発され、千早重工本社に保管・封印されている。
※3 不明“斬甲刀(ざんこうとう)”
刀身が3mを超す、巨大な片刃の剣。製作者は不明。ウォーカー狩りを主に生業としていた「アヤメ」のメインアームである。
「ウォーカーを斬ること」に特化されてはいるものの、対人戦闘においてもいかんなくその威力を発揮する。
この“斬甲刀”は、刀身の付け根に何かをはめ込むための穴が8つ空いていた名残があり、その穴はつぶされている。以前刀身にエネルギー供給を行う変換デバイスを用いることで、爆発的なエネルギーを発散し、切れ味を増す、「八連残甲刀」という武器が開発されていたという噂があり、これはそのプロトタイプではないかといわれている。