デンマーク王ホグニの持っていた魔剣で、一度鞘から抜き放つと、人を殺すまで戻らない、という恐ろしい力を持っていた。おそらく、フレイヤ女神に渡された物であろうと思われる。
フレイヤはある日、ミッドがルドでキレイな細工の施された首飾りを目にし、それに心奪われてしまう。いわゆる「ブリーシングの首飾り」と呼ばれるものだが、これに目がくらんで、フレイヤはその首飾りを作った4人のドヴェルグ鍛冶に身体を許してしまった。
フレイヤの不貞にオーディンは怒り、不貞の罪の償いとして、二十の将を持つ王二人を永劫に戦わせよ、と告げた。
フレイヤの不貞とは何の関係もない二人の王に白羽の矢は立てられた。だらしないフレイヤのとばっちりを食う形になった二人の王。そのうちの一人がデンマーク王ホグニである。
もう一方の王、サラセン王ヘジンは、ホグニとは親友だった。しかし、フレイヤはヘジンに魔法の酒を飲ませ、ホグニの妻を殺し娘のヒルドを略奪するように仕向け、ヘジンはその通りにホグニの妻を殺し、ヒルドをさらってきたのだ。このときヘジン自身にはそんな意志はなかったが、気づいた時にはもう遅かった。
ホグニはヘジンに向かってダインスレフを抜いてしまう。人の命を奪わないと鞘に収まらないこの魔剣のおかげで、どんな説得も意味をなさず、ついには戦いに突入した。
この時同時に、フレイヤはヒルドに万能の霊薬を与えていた。この薬のために死者は甦り、戦いは未来永劫、今でも続いている、という。