ダーナの主神ルーの子であり、アルスター神話最大の英雄、クー・フーリン(ク・ホリン)の持つ魔槍。
ルーの持つ神槍ブリューナクからもわかるように、ケルトにおける槍は、投擲用のものが多く、このゲイ・ボルグも投擲して使用されることが多い。
ゲイ・ボルグを敵陣の中に投げ込むと、槍の穂先から数千のトゲのようなものが飛び出し、辺りの敵を殲滅するという、恐ろしい魔槍である。
ゲイ・ボルグは、クー・フーリンが魔女スカアハ(スカザーハ)の元で修業し、彼女の修業を修了した証として、スカアハがクジラの骨を使って作り、クー・フーリンに与えたものである。
もともと無敵の強さを誇るクー・フーリンが、ゲイ・ボルグを持つと、敵となるものはほとんどいなかった。しかしクー・フーリンは結局、悲惨な死を遂げている。この時ゲイ・ボルグは持っておらず、「もしゲイ・ボルグがあったなら・・・」と悔やむ場面があった。