ACT.1 接触
Chapter.1 序章
section.1
- GM
- という訳で、キャンペーン“パペット・マスターズ”第1回、始めます。
- セティ
- わ〜い、ぱふぱふどんどん。
- 吼児
- 斯くて世界は?
- GM
- 何?
- 吼児
- いや、開始前のナレーション、とか。
- GM
- んじゃ。『世界は、魔穴(まけつ)と呼ばれる穴からやって来る魔族たちに脅かされていた』。まぁ、魔穴が開く度に何とか対策したり穴を塞いだりしてたんだけど、その反動か現在、東京上空には巨大な魔穴が開いており、そこからは今迄に無く巨大で強大な魔族や魔獣たちがやって来るようになった、という訳。
・・・・ここはローマ。ヴァチカン領内にあるローマ法王庁の地下。
“ジューダス・ファミリア”の司祭に呼ばれ、魔威葬介(まい・そうすけ)と関仄(せき・しき)はそこにいた。
- GM
- では、まず葬介から。ここはローマ、ヴァチカン、そのずっと地下です。そこに2人して呼び出されてる。
- 吼児
- ローマ。
- セティ
- 2人?
- GM
- で、指令を聞いている訳だ。
- 司祭
- 君達には、その調査を行うべく日本へと飛んで貰う。
- 葬介
- 『その』ってのは魔穴の事ですか。
- GM
- 魔穴の調査及び侵入して来た魔族や魔物達の討伐、だね。
- 葬介
- 解りました。
- 司祭
- 既に日本の学校に編入の手続きを取ってある。表向きは学生として行動するように
- 葬介
- でも、僕はここからは一歩も出たことが無いんです。外の世界の事、良く識らないんですけど
- 司祭
- 大丈夫だ。ある程度の知識は睡眠学習によって吹込んである。
- 葬介
- そう来たか(笑)。「解りました。シミュレーション通りにやれば大丈夫、なんですね」
- 司祭
- では、期待しているよ。
- 葬介
- はい、きっと御期待に応えてみせます。
- GM
- てな訳で、君は日本のとある学校に高校生として編入するになった。
- 葬介
- 高校生に……はい。えっと、高校の名前は?
- GM
- はて。
- 葬介
- ゲフッ!
- GM
- というのは冗談で、竜堂学園という。
- セティ
- 理事長が始とか。
- 葬介
- 仄も一緒なんでしょうか。
- GM
- 一緒だね。クラスも一緒だ、高3の。
- 葬介
- では初めて見る外の世界、御上りさんチックにキョロキョロとしています。
- GM
- 仄ってどんなコ?
- 葬介
- 感情を表に出さないタイプですね、お約束として。
- GM
- ん。では、眼の前には竜堂学園。ここで君たちの新しい生活が始まる。
- 吼児
- 始まる……って今。桜が咲いてんの?
- GM
- いや、咲いてない。魔穴が開いてからは、四季の変化が多少乏しくなってきてる。
- 吼児
- 常春、じゃ無くて。
- GM
- むしろ常秋。
- 吼児
- むぅ、学園でロボ物第1話ってんで『桜の魔穴獣』みたいのを期待してたのだが。
- セティ
- 何処の第1話ですか。
- 葬介
- 魔穴獣って何ー!?
- 葬介
- では魔穴の調査を開始、つっても初めての外だ。学園生活をエンジョイしたって罰は当たらないだろう。
- 仄
- 調査の事、忘れないで。
- 葬介
- 分ってる。でも見てみなよ、この花本物なんだぜ、造花じゃ無い!
- 吼児
- ヴァチカンの花は作り物なのか。
- 葬介
- こんなの初めてだ。好いな、こういうの
- 一同
- ………。
- 葬介
- 何か、物言いたげな目で見られてますが。
- 吼児
- いや、そういう奴なんだなって。『ここはいいところだー』ってか。
- 仄
- 何だかざわざわしていて、私はあまり好きにはなれない・・・
- 葬介
- 「すぐに慣れるさ。僕は静まり返った施設の中よりもここの方が好きだな」取敢えず編入手続き……はしてあるのか。じゃあ住む処は?
- GM
- アパートが用意してある。
- 葬介
- 一つ屋根の下なのでしょうか。
- GM
- 一つ屋根の下。
- 吼児
- 窓の外には神田川でしょうか。
- 葬介
- うをー大惨事だアッハハハ!じゃあアパートに帰って色々準備します。
- 吼児
- ベースヒットを1点減らす、と。
- 葬介
- 何の準備をいたしてましたか。
- GM
- じゃ一旦シーンを切る。
- 葬介
- ガタガタガタガタ。
“フィクサーQ”の依頼により、貫穿吼児(つらぬき・こうじ)は富士山麓の樹海へ、魔獣の淘汰に向かった。
しかしそこで見たものは・・・・
- GM
- 次は吼児のシーン。
- 吼児
- あいよ。
- GM
- 君は今コックピットの中に居る。
- 吼児
- 何だってー!?早ッ。
- GM
- ここは富士山麓、樹海のすぐ傍だ。
- 葬介
- ゼ○ライマー!?
- セティ
- O蟲が啼いてますヨー!
- 吼児
- いや、確かに桜の魔穴獣を出せとは言ったが、樹海はヤり過ぎだろう。
- 葬介
- だから魔穴獣って何ー!?
- GM
- まぁともかく。いつものフィクサーからの依頼でこっちに向ったのはいいが、現れていたらしい魔物は既に倒されていた。
- 吼児
- どんな魔物?
- GM
- Lサイズ。ゴッツくて強そうだ……ったんだけど、それが一刀両断されて、消えかけている。戦闘があったのはついさっきのようだ。
- セティ
- うわー。
- 葬介
- 魔物って死ぬと分解されるんですか?
- GM
- 分解っていうか、消滅だ。魔族、魔獣といったこの世ならざるモノ達は、死ねばこの世界から消えてしまう。
- 吼児
- 爆発しないのか。
- 葬介
- ちょっと残念。
- GM
- なんだ、爆発して欲しいのか。
- 吼児
- まぁね、ロボ物だし。
- GM
- じゃドカーン。ダメージ出そうか。
- 吼児
- わァ!
- GM
- 冗談はさて置き。
- 吼児
- ふむ。「アナ、他に何か在るか?」
- アナ
- もうここには何もいないみたい。ただ、さっきの魔物の切り口、“ディッガー”がやった感じに似てた。……“ザッパー”なのかにゃ?
- 吼児
- 『にゃ』?
- セティ
- 『にゃ』?
- 葬介
- 『にゃ』―!?ヒトの設定をさんざん萌へ萌へ〜とか笑っといて、アンタはそれかい!
- 吼児
- 違う、俺は『言うな』って書いて出したんだー!
- GM
- それは『言え』って事だろう。
- 吼児
- ……とにかく。「何にしてもそいつのやった事が『魔物退治』なら、敵じゃないってコトだろ、商売敵かも知れんけど。魔物は無し、他に問題も無しならここに居る理由も無いな。……Qの奴、金出してくれるかな」
- アナ
- 『調査』も依頼のうちだったから、そのぶんはでるとおもうよー。
- 吼児
- 俺等でやっちまったコトにしようぜ?
- アナ
- うそつきはいけないよ。エンマさまに舌ぬかれちゃうよ。道端でバケツかぶってたヒトがゆってたの。
- 吼児
- 何処でそんなネタ拾って来るんだー……まぁいいや。サラッと調べた振りして帰ろう。
- アナ
- もう何もないよ。はやくかえろ〜
- 吼児
- おう。っと、その前に一つ言っておく。
- GM
- なにかにゃ?
- 吼児
- ……要らん萌えを振り撒くな。俺がヘンな目で見られる
- アナ
- ぶ〜〜
- 吼児
- ア゛――――!!
- 葬介
- 確信犯ッ!?
- セティ
- 本性ッ!?
- 吼児
- 本性違うわ!「とにかく帰るぞ!」
- アナ
- うんかえる〜
- GM
- ドヒュンとピンク色の大きな何かが飛んで行った。
- 葬介
- ピンク色なんだ。
ここは高級住宅街の一角にある氷川邸。
敷地の一角にある古びた建物・・・道場であろうか、その中から組み手に勤しむ気合のこもった掛け声が聞こえる。
一人は氷川家の嫡男、冬弥の声。もう一人は、氷川家とは姻戚関係にある、風見家の長女、セティの声だった。
- GM
- さて、ここは氷川(ひかわ)邸の一角にある道場。
- 吼児
- おっきなウチだ。
- 葬介
- 道場だー。
- GM
- 組手をしている。相手は……冬弥(とうや)だ。
- セティ
- 冬弥さん、来てるんだ。
- 吼児
- これからコイツを殺して修羅の門を開けるのかー。
- セティ
- 確かに同んなじ字ですけど。
- 冬弥
- いっちょ揉んでやるか
- セティ
- <戦闘>ですか。では。
- 葬介
- 一撃死とか。
- セティ
- それは無いでしょ。出目1だし。……15。
- 吼児
- 1振って15!?ゴッツー。
- 葬介
- 無理だー、ガタガタガタガタ。
- GM
- さすがに何歳かお兄さんだけあって、向うの方が腕は上だ。
- 吼児
- 上だし。
- 葬介
- あの一族には関っちゃなんねぇ!
- セティ
- 流石。「きゃーっ」と言ってコロンと転がります。
- 冬弥
- おいおい、大丈夫か?
- セティ
- 大丈夫〜。ちょっと手を抜いてたかもねぇっへっへ〜
- 吼児
- 『ねっへっへ〜』って。
- 冬弥
- そういうのは良くねぇな
- セティ
- 御免なさぁ〜い
- 冬弥
- まぁ俺も本気にはなっちゃいなかったけどな。まだまだヒヨッ子には負けられねぇよ
- 吼児
- 門が開きそうだー。
- 葬介
- ワシ等一般人は蛆虫以下ですか。生きてちゃいけませんか。
- セティ
- くそーいつか参ったって言わせてやるんだからー
- 冬弥
- いい汗はかいたさ。シャワー浴びてメシにでもしようや。……一緒に入るか?
- 葬介
- 妹萌え!?
- セティ
- ……遠慮しとく。先に使わせて貰うから、覗かないでね
- 冬弥
- ンな事するかよ
- セティ
- じゃ、ざっと汗を流して。
- GM
- 上がってくると、冬弥は電話中だったようだ。携帯を切って「悪ぃ、仕事入っちまった」
- セティ
- 仕事の電話だったんだ。てっきり誰かとデートの約束でもしてるんだと思った
- 冬弥
- そうだと良かったんだけどな。という訳で一緒にメシは無理だわ。親父にもそう言っといてくれ、急ぎらしいからさ
- セティ
- りょーぉかいです
- GM
- そして彼は二度と還っては来なかった。
- セティ
- は〜〜〜ッ!?(泣)
- GM
- 訳では無いが。
- セティ
- (ガクリ。復活)さ〜て、お料理と掃除、行きましょっかね〜。
- 葬介
- 妹キャラか。
- 吼児
- 拾って来た妹ならヤってもいいのか。
- GM
- どこのエロゲの話だ。
→section.2