ACT.1 接触
Chapter.1 序章
section.3
- GM
- そうこうしているうちに放課後になりますが。
- 吼児
- んじゃ昼休みにでも。「なぁ、冬木」
- 妙子
- 何?
- 吼児
- (葬介の方を見ながら)何だか俺の時とは随分待遇が違う気がするんだが。ああいうのが良かったのか?
- 妙子
- 何の話をするかと思えば…う〜ん、どうなのかな?
- 吼児
- いや、それならそれで進める話も有る。どうだ、お互い利害が一致するというのなら手を組まないか?
- 妙子
- ほほう、それは良い話ですな。
- 吼児
- この越前屋が…
- 葬介
- 前の方の席から怪しいオーラを感じる。
- 吼児
- 何でも彼奴等、一緒に住んでて、一緒にメシ食ってて、一緒に風呂……いや、寝るとまで言ってたっけな。
- セティ
- ぶッ!
- 妙子
- (葬介を見て)へ〜〜『そういう』仲なのかな…
- 吼児
- あぁ、何でもパートナーだとか一心同体だとか、所有物だとかしもべ……とか言ってたっけ?
- セティ
- 破廉恥ですよ不潔ですよ不許可ですよー!
- 葬介
- ハメる気満々ですか!
- 妙子
- 彼を貶めようとしてるのがバリバリ見えるんだけど。大丈夫?保健室行く?
- 吼児
- だから何故に俺にはそんなに冷たいか。俺は何にもしてないぞ。奴のがそんなに良いか?
- 妙子
- 別に話しかけられて『案内して』って言われてあちこち回ってただけだってば。
- 吼児
- 奴はああ見えてもラテンだ、そういう手口なんだろう。セクハラしといて『向うじゃ挨拶代りだよ』とか言うんだ。
- 妙子
- それでホテルまで連込まれた、っていうコの話、知ってるしねぇ。
- 吼児
- どこの話だ。
- 妙子
- まぁ、私は引っかかるつもりは無いケド。イイ線いってるとは思うんだけど、ちょっと暗そうだし。
- 吼児
- 何か、篭ってる感じがするわな。
- 妙子
- アンタは獣そうだが…
- 吼児
- ゲフッ!
- 葬介
- アハハハハ!
- 妙子
- 何て言うか、ねぇ。そんなに関さんが良いの?
- 吼児
- んー、そだな。『ああいうの』が好い。
- 妙子
- ふ〜ん、へぇ〜
- セティ
- ふ〜ん、そうなんだぁ〜
- 妙子
- まぁ、元々決まったカップルだっていうんだったら、わざわざ裂くコト無いでしょ?
- 吼児
- まだ決まったと決まったワケじゃ無い!
- 葬介
- 奪う気満々ですか!
- 吼児
- 髪の毛黒くて真直ぐだし、『吼児くん』って……
- 葬介
- そこがツボかい!
- 妙子
- それならそうと早く言ってよ『工事くん』
- 吼児
- ビシ(チョップをくれる)。
- 妙子
- あいたっ!何するかー!
- 吼児
- 何か凄ェ嫌だった……ふん、今日はこの位にしといてやる。
- 葬介
- とにかく吼児、その獣の様な眼を仄に向けないでくれ。
- 吼児
- 言うじゃねェか。けどそんなコト指図される謂れも無いな。向けたらどうなるってんだ?
- 葬介
- それなりの覚悟をして頂くよ。
- 吼児
- 覚悟……?はッ!まさか、獣の眼で俺を見ようっていうのか。止めろ、そんな熱い眼で俺を見るなぁ!
- 葬介
- 君と同列に扱わないでくれ、穢らわしい!
- 吼児
- 言う言う。
- 妙子
- どっちもどっちだね。
- セティ
- ホント、見てて飽きないわぁ(笑)
- GM
- 午後の授業は体育。
- セティ
- しまったー!一条さんお昼に誘うの忘れてたー!
- GM
- さっきは見当たらなかった。授業が始まる頃にはまた居る。仄は多分見学かな。
- 吼児
- 見学かー。
- GM
- で、一条さんなんですが、運動も結構バツグンだったりして。
- セティ
- わぉ。コレで何で目立たないんじゃー!
- 吼児
- スペック的にはどの位?上から。
- GM
- 何の話ですか……いやまぁ、セティと良いトコまでいくんじゃないか。
- 吼児
- セティって誰?
- セティ
- 私っ(バン)!
- 葬介
- ガイジン〜!?
- 吼児
- 外人はアンタだ!(セティに)しかし、何星人?その色。
- セティ
- 日系人ですエッヘン。
- 吼児
- 何セティ?小公子?
- セティ
- 苗字は風見(かざみ)ですけど。
- 葬介
- 風見セティ?うわァ、凄くニセ外国人っぽい!
- 吼児
- ビミョーだ。顔を逆さにするとセティ風見か。
- セティ
- アハハハハ。(怒)どこの爺ィだー!
- 吼児
- そしてカラーリングは青。……“あおいルート”って感じ?
- セティ
- そうですね。
- 吼児
- ああいうのか……放っとくと3分で死んじまうのか。
- セティ
- バッテリーが無いとね。正確には2分30秒でした。
- 葬介
- 何ですか3分って。スプーンで変身するんですか。カラータイマー取られるとシオシオになるんですか。
- セティ
- カラータイマーは……有るけど。
- 吼&葬
- 有るの!?
- 吼児
- 見えるの?
- セティ
- まさか。
- 葬介
- 胸覗く訳にもいかないし。
- GM
- 行かないのか?更衣室なら在るよ。まぁ今、体育が終わって着替えているところだ。
- 吼児
- 授業とかどうでも良いってコトかい。
- 葬介
- ヤロー共は蚊帳の外か。
- 吼児
- くそぅ、TECは低いし<こっそり>技能も無ぇ。
- セティ
- 一条さんに「今日もスゴかったね。バッチリじゃん、運動」
- 光
- いえ……そんなんじゃ無いわ…
- セティ
- 美人だし運動も勉強もスタイルも……かなり良いし。どうしてこれで目立たないかなぁ?クラスの人気者間違い無しなのにぃ
- 光
- そんな事無いわ…
- セティ
- そんなコトあるってぇ。
- GM
- 実際君以外に彼女に声を掛ける人は居ない。っていうか気にして無い。
- セティ
- むぅ……「もうちょっと胸張ってシャキシャキと」
- 光
- あ……ええ、有難う
- セティ
- よし、元気に行こ。おー!
- GM
- ……ちょっと引いてる。
- セティ
- がーーん。
- GM
- あと、仄も着替えが終わるとそそくさと出て行く。
- セティ
- ところで男子の方はどうだったんだろう、体育の授業。
- 吼児
- スタイルならそこそこ自信有るが。
- 葬介
- 野郎のサービスシーンは要らないです。
- GM
- このクラスには特に人気のある奴、なんてのは居ない。
- 吼児
- ハハハハ……ハァ。
- 葬介
- まぁ、ねぇ。
- GM
- 欲しい?
- 吼児
- そりゃまあ、カネも女も欲しいデスよ?
- 葬介
- 貧困しとるのぅ。
- 吼児
- 四畳半に住んでるヤツに謂われる程じゃない。
- GM
- とにかく、『サッカー部のキャプテン』みたいな体育会系、モテ系はいない。
- セティ
- 2人はどうだったのかな。
- 吼児
- イケメンですよー。
- GM
- 振ってみそ?
- 吼児
- 振るって……ルックスを?単位はオム!?……2個振る!
- 葬介
- そんなテーブルトークには鬼門なルックス表を!1とか1ゾロ出たらどうするんですか!?
- GM
- まぁ体育の方はどれだけ活躍できたか、PHIでもポーンと振って。女子とは校庭の隣同士でやってたから。
- セティ
- 『おー、やるじゃん』とか思われる為には。
- 葬介
- そこのケダモノにだけは負けたくない。「勝負だ、吼児君!」
- 吼児
- そこまで言われちゃ退くワケにもいかないか、男として。
- セティ
- 早速始まっちゃった。何の競技だったんだろう。
- GM
- さあ?
- 葬介
- 0と9。うぉーハハハハハ!
- 吼児
- ……フッ、2と2。
- GM
- 2ゾロ!?……って何だったっけ?
- 吼児
- 確かSuccess/Badだ。
- 葬介
- このスピードには追いて来れまい。僕の勝ちだ!
- GM
- が、追いて来れたわけだ。
- 吼児
- 『なんたらの領域』!?は、邪魔ッ!
- 葬介
- 馬鹿なッ!(笑)
- GM
- そして勝った!……のは良いのだが、勢い余って陸上の砂場に足を捕られてゴロゴロ転がった挙句『あんな所にゴールポストが!』がつーん。
- セティ
- 石○君のヘッドバッドー♪
- 吼児
- 俺の勝ちだ……ガク
- 葬介
- 貫穿吼児……侮れん奴(笑)
- セティ
- 吼児君大丈夫―?
- GM
- 「おーい誰か保健室連れて行ってやれー」経験点を1点あげよう。
- 吼児
- コレでレベルアップ!?「何かが見えた!(笑)」
- 一同
- レベルアップおめでと〜。
- GM
- という訳で保健室です。
- 吼児
- う〜ん……。
- GM
- 目の前にはポニーテールの女子生徒。だけど君の記憶にも薄くて、一瞬『誰だっけ?』と思ってしまう。で、君の意識が戻ったのに気付いて「あ、先生。目が覚めました」「うん?そうか。どれどれ?」
- 葬介
- ココの保険医は男なんだ?
- GM
- 女性ですよ。で、ベッドの方へ寄って来て「顔面ぶつけて気絶とは、珍しいな」
- 吼児
- 俺もワケ解んねェよ。確か100m走だった筈なんだが…
- GM
- 「どれどれ」養護の先生なので白衣は当然。でシニヨンに眼鏡だ。白衣の下は何だろ、タンクトップにスカートかな。
- 吼児
- 白衣の下が決まってないってのが何ともビミョーだな。何歳位?
- GM
- 30代。君等から見れば「オバサン」かもね。「赤チン塗っておけば治るな」ペタペタ。
- 吼児
- 21世紀だってのに赤チンかよ。
- 先生
- 赤チンでは不満か?
- 吼児
- まァもうちょっとこう……何かさ…
- 先生
- ナノマシンでも注入しようか?
- 吼児
- 赤チンと一緒にそんなのが在るのかよ。「入れるとどうなる?」
- GM
- フッフッフッフ……
- 吼児
- やめとこう。死んでしまいそうだ。
- 葬介
- あの時に頭蓋骨の一枚も割っておけば、少しは大人しくなっただろうに…
- 先生
- ベシ。「冗談でもそういう事は言うな」
- 葬介
- だってですね、先生!
- 先生
- まぁ、コレで良し。これからは気を付けるんだぞ。
- 吼児
- いや多分、保証は出来無いけど。
- 葬介
- アレは漢の勝負だった。手を抜く事など出来はしない。
- 先生
- もう大丈夫だろう、帰っても良いぞ。
- 吼児
- 冷たい(笑)。
- 先生
- こちらも何かと忙しいのでな。
- 吼児
- へぇへぇ。「じゃァ世話ンなりました。失礼しやっス」
- 葬介
- 「ご迷惑をお掛けしました……吼児、今回は僕の負けだ。だが完全に君を認めた訳では無いからな」振向かずに。
- 吼児
- 夕日に向かって行ったか。あっちはローマかな。
- GM
- さて、今は放課後。実は彼女も後ろから追いて来ている。
- 吼児
- これから掃除だってんなら最悪だ(笑)。
- 葬介
- 今更なんですが。吼児に訊いてみる。「彼女は誰?クラスの人だっけ」
- 吼児
- 知ってはいるんだよな。
- GM
- 思い出そうとすれば、出来るかも。「私、保健委員だから」
- 吼児
- どうやってなったんだろう。
- GM
- さあ?
- 吼児
- 悪ィな、世話掛けた。一条……だったよな?
- GM
- 「ええ」彼女の方はカバンを持って帰り支度をして来ている。
- 葬介
- 不思議な感じのする女性だな…
- 吼児
- ……
- 葬介
- ……何だその眼は?
- 吼児
- いや、このイタ公はあちこち目ェ付けたり手ェ出したりするんだなぁと思ってな。
- 葬介
- 君程野蛮では無い。
- 吼児
- 俺が野蛮?何を根拠に…
- 葬介
- 自分の胸に手を当ててみたまえ。その獣じみた眼、行動が僕には心配でならないのだよ。
- 吼児
- 何も疚しい事など無い。なぁ、たかが駆けっこに負けた位でそんなコト言うの止そうぜ?
- 葬介
- それとは別の問題だ!
- GM
- 既に放課後、帰る時間なので外に向ったりするのですが。
- セティ
- あ、吼児君。掃除はやっといたよー
- 葬介
- それは有難い。
- 吼児
- サンキュー
- GM
- 仄が玄関で待っている。
- 葬介
- では行こう。
- 仄
- うん
- GM
- 「それでは、私はこれで」と、一条さん。
- セティ
- 気を付けてねー
- GM
- 会釈を返して去って行く。
- セティ
- あ、そうだ。皆んなさ、(小声で)隠せるんだったら隠した方が良いんじゃない?
- 吼&葬
- なにが?
- セティ
- いや、ていうかもうダダ漏れだよ?ホラホラ、でろでろ〜んって。
- 吼&葬
- だからなにが!?
- 吼児
- “ソース”がか。「いきなりンな事いうお前さんは何星のデンパなんだ?」
- 葬介
- 黄色い救急車が要るか?君はそんな人では無いと思っていたのだが…
- セティ
- 電波だなんて酷い。何で救急車とか言うかなー。“能力”の有る人は狙われたりするっていうから言っているのに。
- 葬介
- ということは関係者?
- 吼児
- お前も“能力者”って事だよな?
- セティ
- うん。
- 葬介
- 見抜けなかった。僕の眼はまだまだ未熟だという事か…
- 吼児
- で、そこの関サマも?
- 葬介
- 関サマ言わないでくれ、何故だろう、君の言動には一々苛々させられるよ(笑)
- 吼児
- じゃあシキサマ……も何だし、シキちゃん。
- GM
- そんな話をしている中、仄は葬介の後ろに隠れるようにしている。
- 吼児
- (セティに)「実際、どういうつもりなんだ?」
- セティ
- いやぁ、隠せるんだったら隠した方が良いんじゃないかなぁと思って。そういう練習でもする?
- 葬介
- ……それにはコメント出来ない。
- 吼児
- 気が向いたらな。にしても何てクラスだ…
- セティ
- 転校生が3人共、だったから私も『そういうクラス』を創る陰謀でもあるかと思っちゃったよ。
- GM
- 偶然です。
- 吼児
- が、『気を付けろ』って言う割には迂闊じゃないのか?こんな所で皆に、もしかしてガッコで話をしていた一条もなのか?そんな話をして、いつ何処で誰が視てるかもしれない、それに“能力者”だからって味方とは限らないだろ?
- セティ
- そうだね。私、身近で“能力者”に悪い人って居無かったから。
- 葬介
- 何にせよ『そっち』関係者が、少なくとも僕達以外に3人居るという訳か。単刀直入に訊くが、君たちは敵か?
- セティ
- 何の?
- 吼児
- 何の?確かに実家は仏教だったが、それで敵か?
- 葬介
- いや、さっき見た様な敵愾心はともかく、君には害意は無いと思える、僕にも能力が判別できたくらいだし。しかし(セティを見て)それで判らなかった君の方は……
- セティ
- いやぁ、まぁ、隠してもいたしさぁ……
- 吼児
- 隠さないと狩られるのか。『カラータイマーを喰って神に成るのだ!』とか言う奴に。
- セティ
- あ〜、狩られたら困るなぁ
- 葬介
- もしや君は、業界で言うところの“魔物”なのか?
- セティ
- ううん、どっちかっていうとそういうのを退治する方。え〜と、イタリアの方から来たって事はソッチの宗教のヒト?『神サマは一つです、とっても偉いです』っていう。
- 葬介
- そういうワケじゃ無い。こちらの事に関しては、あまり喋りたくは無いのだが…
- セティ
- う〜ん、ウチとは宗教上のソリは合わないかなぁ……
- 吼児
- 俺は寺でも教会でも警察でも軍隊でも無い。見るからに善良そうだろ?
- セティ
- 善良……そうだねぇ…
- GM
- 頭悪いヤツは皆善良なんだよ。
- セティ
- 今さり気にGM(天)から酷い声が。
- 葬介
- ハハハハハ!かなり(笑)。「まぁ良い、敵対しようというので無ければ当面は問題無い」
- セティ
- まぁねぇ〜、何かに取り憑かれなければ。そんなコトもまず無いだろうし。
- 葬介
- 上の方から『○○しては駄目』とかいう命令は無いですよね。現地の人間と関りを持つな、とか。
- 吼児
- 『見敵必滅(サーチ&デストロイ)』じゃ無ぇの?
- 葬介
- それはちょっと…
- GM
- いや、基本的にはそうだ。一般人に被害が及ばないように、くらいは言われているが。
- 葬介
- 了解。解り易い命令ですね。「特に双方の利害に相違が無ければ、相互協力、という訳には行かないか」
- 吼児
- 『妖怪退治』にか?……行かないかも。
- 葬介
- それならそれで構わない。こちらの邪魔さえしなければ言う事は無い。
- セティ
- 邪魔をする、ってコトは無いんじゃないかな、時と場合によるけど。
- 吼児
- ……そうだ、業界人だっていうんなら一応訊いておくか。富士山で魔物退治、したコト有るか?
- セティ
- 富士山?知らないけど。
- 葬介
- 初耳だ。日本には初めて来たばかりだ。
- 吼児
- ……だろうな。
- GM
- といった処で吼児の携帯が鳴る。”フィクサーQ”からだ。
- 吼児
- ……っと、バイト先からだ。
- 葬介
- じゃあ頑張ってくれ。
- セティ
- 「ガンバってー。と、そうだー晩ゴハン私の担当だったー!じゃあ私帰るから」MTBでチャリチャリチャリーンと帰ります。
- 葬介
- ああ、それでは又。
- 吼児
- あぁ。そっちも気ィ付けてな。
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