ACT.1 接触
Chapter.3 天使の二挺拳銃
section.1
- GM
- 取敢えず保健室に集まって来るのかな?奥の方では仄が寝てます。先生はまた髪を纏め直して白衣着て……ライダースーツの上にか。
- 葬介
- うわ〜。
- 吼児
- マニアックって言うか、どうしたものやら。
- GM
- で、椅子に座ってますね。
- 先生
- ふむ、全員集まったな。
- セティ
- え〜と、仄ちゃんは大丈夫だったんでしょうか
- 葬介
- 御陰様で何とか。
- 先生
- まぁ精神的に混乱していただけだ。今は落着いて居る、問題は無い。
- 吼児
- あの”スポウン”ってのに乗るとそうなるのか?
- 葬介
- 場合によっては
- セティ
- やっぱりヤバいんじゃないのぉ?
- 葬介
- 製法として良くない技術を使っている事は、僕も少しは理解している。だがアレを使わないと魔物に対抗出来ないのもまた事実だ
- 吼児
- ヤバく無いPSだのパペットなんてモンは無いって。どうしてオマエ等が、なんてコトも言う積りは無い。で、何の話からする?
- 先生
- ではこちらから訊こう。あそこで何をしていた?
- 葬介
- 魔物が居た。倒した、じゃ駄目なのかな
- 先生
- それなりの退魔師の言葉だというのなら、こちらも納得しよう。だが、そうは見えない
- 吼児
- 『保健の先生』に話すコトは無い。アンタは何だ。話すかどうかはその答次第だ
- 先生
- まぁ隠していた訳ではないのだが、私は政府機関の者だ
- 葬介
- 政府機関というと、所謂”パニッシャー”なのでしょうか?
- セティ
- 内調?
- 吼児
- 秘密文部省?
- GM
- 保健の先生は厚生省だろ。「国連管理の特殊組織、といった処かな。組織の名は――」
- 葬介
- ”御雷”部隊?
- セティ
- それは国連じゃなく”ニッポン”の部隊。
- GM
- 実際ビミョーな名前なんだが、Guardians for Anti Demons――”G.F.A.D.(ジファード)”という
- 吼児
- ジファード(笑)。確かにビミョーだ。
- 先生
- こちらの地域におけるああいった事象を色々と調査している訳だ。まぁ私は医師でもあるのでこうして養護教諭などしているのだが
- 吼児
- 世を忍ぶ仮の何とかってヤツね。なぁ、もしかして、ここはそういう学校なのか?
- 先生
- 「どうなのだろうな。私自身はそのような”能力”は持合わせていないのでね」実際”パニッシャー”でも”能力”を持っている人は少ない。”パニッシャー”兼”ハンター”みたいなのはあまり居ない。逆にハンターの方は一匹狼をやっている方が何かと都合が良い。
- セティ
- まぁ確かに。
- 吼児
- 法的には後暗い処も有るしな。
- GM
- 退魔においては、ある程度の超法規は黙認されるし情報操作が行われる場合もある。
- 吼児
- だとしたら。「今回の件はどういうコトになるんだ?変なカルトが乱交の上に焼身自殺?」
- 先生
- そんな処かな、表向きは。さて答えて貰おう。君達はあそこで何をしていた?
- 葬介
- さっき言った通り、魔物が居たから倒しに行った。嘘じゃない、本当の事だ
- 吼児
- 同じく
- セティ
- そうですね。悪を成す魔族を狩るのが当家の義務ですから
- 先生
- そういった事は判る。私は”能力者”では無し、偉そうな事は言えないのだが、君達の言った事の結果がアレでは、目も当てられん
- セティ
- ………。
- 葬介
- 言い返せない。
- 先生
- もう少し周囲に気を使ってはどうだ?
- 吼児
- デケェ悪魔が3匹、被害を出来るだけ食止めて『アレ』だったってコトだ
- 葬介
- 周りの被害に気を配れない、まだ半人前という事か
- 先生
- これは飽く迄戦術家としての言い分だ。力有る者としての在りようは、私には良く解らん。それは他の人が認めるモノだろう。ただ、パートナーもあの様に精神感応されてしまってはまだまだではないかな
- 葬介
- 否定は出来ない。けど…
- 先生
- 元々感化され易い体質らしいな、彼女は
- 吼児
- だからパーツにされるのかも知れんが。
- 葬介
- そうかも知れない。しかし僕には彼女の代りは出来ない
- 先生
- それはそうだ。言い方は悪いが君も彼女も用途に応じてカスタマイズされているだろうからな。
- 吼児
- 『カン違いヴァチカン』全開やね。
- 葬介
- 色々と耳も利くようですね。確かに嫌な言い方だ、好きにはなれない
- 先生
- 事実だろう?情報の速さでヴァチカンに遅れは取らんよ
- 葬介
- 僕は人間だ
- 先生
- それも解っている。ただ、その人間が出過ぎた力を持つのは危険だという事だ、それだけは解りなさい。もう少し力の使い方を学ぶべきではないか?
- 葬介
- ………。
- 吼児
- 魔物は退治した。コイツ絡みの事件はもう起きないだろう。で、ソッチは何をしたってんだ?後から出て来て小言と詮索だけかよ。まぁ頼る積りも無いけどな。もう周りに被害は出さない。仄も……護るさ。コレで良いだろ?
- 葬介
- それは僕の台詞だ
- 吼児
- 話オシマイ?
- 先生
- 心掛けは結構だ
- セティ
- 『もう少し上手くやれ』ってコトなんですね?
- 先生
- 有体(ありてい)に言えば、そうなるな。
- 葬介
- 失敗から学べない程愚かな積りはない。次はもっと上手くやるさ
- 先生
- ただこの日本でヴァチカンの手の者に余り大手を振って歩かせるのも何だしな、釘を刺したまでだ
- 葬介
- 十分に留意しよう
- 先生
- まぁ国連はともかく私の方では何かと協力できる。情報等を知りたければ、私の処に来ると良い。
- 葬介
- 解った。何か在った際にはそちらの世話になることにするよ
- 吼児
- 煩い話抜きならな。大体どんだけのモノを知ってるってんだ。この街、この学校、ここいら全部だ。いろんなのがうじゃうじゃ居るじゃ無ェか
- 先生
- それについては現在調査中だ。何度も言うが、こちらには”能力”を持合わせている者が少ないのでね。機械やら何やらに頼らねばならん
- 吼児
- バイクでデーモン倒す気だったのか?
- 先生
- まさか。一応退魔の武器を持ってはいるが、アレを相手には出来んよ。パペット部隊を呼出す事になっただろうな
- セティ
- 一応そういうヒト達が居るんだ
- 先生
- 彼の持つモノ程強力では無いがね。まぁ数で掛かれば何とかなろう
- 葬介
- 性能はともかく力の制御に代償が要らないのだろう?なら良いじゃないか
- 先生
- パペットを操る者達は過酷な訓練に耐え、更に肉体等を『強化』する。自分やその境遇を特別だなどと思わない事だ。……彼女も落着いたようだ。話は終りだ。もう遅いので帰りなさい
- 葬介
- 彼女に関しては礼を言います、そちらに協力もしましょう。ただ、駒として使われる積りは有りません
- 先生
- ハンター達を駒として使う気など無いよ。そういった者達は自ら門を叩くだろうからな
- 葬介
- 「……それではお休みなさい」仄を背負って帰ります。
- 吼児
- 御持帰りか。
- 葬介
- 御持帰りも何も、一緒に住んでますから。
- 吼児
- ……結局言うだけ言って終わりやがった。
- 葬介
- うん。
- セティ
- あ〜、う〜。
- 先生
- 私はここでやる事が残っている。君達は帰りなさい
- セティ
- 「は〜い」じゃあ、帰ります。
- 先生
- 訊きたい事が有ったらまた後日改めて来なさい
- セティ
- わっかりましたー
- 吼児
- どうせこっちが一番知りたいコトは『知らない』んだろうけどな
- 先生
- そちらが情報を惜しまなければ、こちらも情報を惜しまんよ。ギブアンドテイクという奴さ。それでは御苦労さん、お休みなさい
- セティ
- お休みなさ〜い
→section.2