アーサー王の「円卓の騎士」において最強の騎士であり、アーサー王の忠臣のひとりであった、ランスロット卿の佩刀。
とはいえ、アーサー王の伝説の中では、アロンダイトの名前は登場しない。
アロンダイトのスペルも、Arondightとか、Aronditeなどと言う記述もあるが、本サイトでは出典にある中期英詩「ビーヴィス卿」のカイウス・カレッジ写本を参考にしたため、見出しのスペルを適用している。
数々のサイトや掲示板をのぞいてみたが、アーサー王の伝説にアロンダイトの名前が登場しないという話が連呼されており、某書にあるように、グウィネヴィア王妃を救ったときにアロンダイトを持っていた、という記述は円卓の騎士の物語の中にはない。
ではなぜランスロットの剣=アロンダイトであると言えるのか、というと、それは14世紀ごろの英詩「ビーヴィス卿」の異本で、カイウス・カレッジによって写された写本による。
その中でランスロットが登場するわけではないが、ビーヴィス卿が手にいれ、その息子のガイ卿が振るった、とされている。
またその剣はさらにフランスに渡り、シャルルマーニュの十二騎士のひとりオリヴィエの手に渡って名前も「オートクレール」と変わっているようである。
また、イタリアの作者によると、ランスロットの佩刀はガスティガ=フォッリ(Gastiga-Folli)となっており、アロンダイトと同一のものでないかと思われる。