フランスの叙事詩「ローランの歌」に登場する、主人公ローランの親友で十二騎士のひとり、オリヴィエの佩刀。イタリア語ではアルタキエラと言い、「純潔」を意味する。
オリヴィエは、アロンダイトの項で紹介した、ハンプトンのビーヴィス卿の末裔とされている文書もある。ビーヴィス卿は、円卓の騎士ランスロット卿の佩刀アロンダイトを何らかの形で入手した人物で、彼の息子ガイが使用した後、時を経て「オートクレール（この設定はイタリア語の著書によるものなので、アルタキエラとなっている）」と名を変え、オリヴィエに受け継いだ、ということになっている。
もともとアロンダイトであるという話は眉唾物ではあるが、シャルルマーニュの十二騎士が賜るぐらいの品格を備えた名剣であったことは間違いないだろう。
また、所有者であるオリヴィエも親友のローランに並ぶ英傑で、ローランとの決闘ではオートクレールを持って戦ったオリヴィエがローランからデュランダルをたたき落とし、ローランがデュランダルを拾うまで攻撃せずに待つ、という騎士道も見せた（その前にオリヴィエの持っていた剣が折られ、新しい剣が来るまでローランが待ってくれたというせいでもあるが）。
オリヴィエはローラン同様、「ロンスヴァルの戦い」で戦死するのだが、その際敵の攻撃が激しすぎて剣（オートクレール）を抜く暇が無く、剣を抜いたのはひどい手傷を負った後と言われているようだ。もしオリヴィエが最初からオートクレールを抜いていたのなら、皇帝の援軍が来るまでに彼らは生き延びていたかもしれない。