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デュランダル Durandal
出典:ローランの歌

ピレネー山脈沿いのロンスヴァル(ロンスヴォー)の谷で、フランス軍(当時はフランク王国)とイスパニア軍との戦「ロンスヴァルの戦い」を描いた叙事詩「ローランの歌」の主人公、ローランの佩刀。

ローランは、フランク皇帝シャルルマーニュの甥で、皇帝が絶対の信頼を置く側近にしてシャルルマーニュの12騎士の一人である。「ローランの歌」では、ローランを含む12騎士が、ロンスヴァルの谷でイスパニアの侵攻を食い止め、そして次々と死んでゆく様が描かれている。

デュランダルは天使から授かったとも、妖精が鍛えたとも言われているが、どちらにしてもそれを手に入れたローランが一度シャルルマーニュに献上しており、シャルルは剣を受け取るや「デュランダル」と名付け、すぐにローランに与えている。

デュランダルの柄は、ジュワユース同様黄金で出来ており、中には聖ピエールの歯、聖バジルの血、ローランの守護聖人である聖デュニの毛髪、聖母マリアの衣服の一部と多くの聖遺物が納められており、こういった剣の設定の背景には、キリスト教の権威云々が見え隠れしているのがまじまじと見て取れる。

デュランダルの特筆すべき点はもうひとつ、その切れ味である。

剣の威力についてすごいと書かれたものは多数あるが、ここまで「すごい」エピソードはあまりないだろう。そのエピソードとはローランが死ぬ間際の1シーンである。

ロンスヴァルの谷でイスパニア軍20万の攻撃を受けたローラン率いる2万人のフランク王国軍は、先行するフランク軍本隊に救援要請をせず、ロンスヴァルに留まり応戦した。しかし、10倍の戦力差をはねのけることは出来ず、シャルルマーニュの12騎士は次々と戦死。親友オリヴィエが力尽きたのを見たローランは、天然の大理石の岩がある丘の上まで行き、敵の手に渡るぐらいならとデュランダルを大理石の岩に打ち付けた。しかし、デュランダルは砕けるどころか、大理石の岩を真っ二つに切り裂いた、と言われている。これだけの死闘で何人もの兵士を切り捨て、使い手のローランも瀕死の状態であったにもかかわらず、振るった剣は刃こぼれもせず、切れ味ひとつ落ちてないというのはまさに名剣と言えよう。

ローランの死後、デュランダルは回収されてシャルルの復讐戦のため、先鋒の騎士のひとりに使わせたというが、「ローランの歌」の本文を読んだことがないので、真偽のほどはなんともいえない。

ファンタジーTRPGでは、武器に魔法がかかっていればだいたいは切れ味も落ちず刃こぼれもしない強度を保つことができる。そういった魔法の恩恵なしに、これほどの力を持つデュランダルは、まさに神から授けられた「聖剣」と言えるだろう。

余談だが、「ファイナルファンタジーXI」では、ナイト用の装備にデュランダルが存在するが、他の剣と比べたらがっかりするぐらいの性能しかない。「デュランダルの何を知ってるんだ?」と言わんばかりの冷遇のされかたである。

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